「生活保護水準>最低賃金」生活保護関連の話題には必ずと言って良いほど出ますね。
最低賃金より低い賃金で働かせると違法になるというのは一般常識レベルで浸透してますが、
最低賃金で働いた収入が、生活保護費を下回る「逆転現象」はなかなか無くなりません。
以前、「生活保護費より最低賃金が低いというのは昔からだった」という記事を書きましたが、
昔は「最低賃金」という事に世間の関心があまり無かった様です。
というのは昔、最低賃金で働く人というのはほとんどがパートさん・学生さんでした。
旦那さんの稼ぎがあって、奥さんが空いている時間を利用して少し稼いでくる。
実家に暮らしている学生さんが空いている時間を利用してお小遣いを稼ぐ。
生活賃金で生計を立てるなんていう人が圧倒的に少なかったそうです。
では今の状況はどうかというと、
元々は最低賃金で働いていなかった層が最低賃金で働いているんですね。
雇用状況が年々悪化していく中で、徐々に最低賃金で生計を立てざるを得ない人が増えた。
そこで初めて「どうなってるんだ!」という世論が高まってきた様です。
そう考えると少し分かりやすくなる気もしますし、
「生活保護水準>最低賃金」という図式を用いて生活保護受給者を叩くのは不毛な気がします。
生活保護が元々高かった訳では無く、社会情勢が急激に落下したと考えた方が分かりやすい。
最低賃金でフルタイム働いて生計を立てなければいけない世の中になってしまったのです。
そして、最低賃金自体は基本的には年々上がり続けています。
「最低賃金、生活保護水準との「逆転」解消 10月以降」(朝日新聞デジタル)
最低賃金で働いて得た収入が、生活保護費より下回る「逆転現象」が起きていたのは、
北海道・宮城・東京・兵庫・広島の5都道府県だったそうです。
2008年に改正最低賃金法が制定されて以来初めて、
全国で「逆転現象」が解消される目処がたったという事ですが、まだまだ問題はあります。
僕は、最低賃金引き上げだけでは「逆転現象」は完全には解決しないと考えます。
確かに、収入の面では「生活保護水準>最低賃金」という図式は解消するかもしれませんが、
収入というのは課税対象です。更に、社会保険料等の負担も発生します。
生活保護の場合、非課税。更に医療費も免除。
最低賃金給与と生活保護支給額を比べて最低賃金のみ引き上げても、
結局「生活保護の方が得じゃないか!」という状況は続いていくでしょう。
ひょっとしたらここ数年ネット上でも増えている生活保護バッシングというのは、
こういった所が原因になっているのではないかと思う事が多々あります。
当分生活保護受給者に対してのバッシングも無くならないのではないのでしょうか。
関連記事:生活保護費より最低賃金が低いというのは昔からだった
0 件のコメント:
コメントを投稿