つい最近、「健康で文化的な最低限度の生活」とは何なのかという記事を書きましたが、
その名もズバリの「健康で文化的な最低限度の生活」というマンガが発売されていました。
作者は柏木ハルコさんという方。
ビッグコミックスピリッツに連載中で、小学館の方から第一巻が発売中です。
元ホームレスで元生活保護受給者の僕の場合、生活保護関連の本を読む時、勇気がいります。
やはり引け目を感じるのでしょうか。「何て書いてあるんだろう・・・」とドキドキしながら読みます。
実際の所、「生活保護受給者=悪」みたいな書籍はなかなか無いので、
そこまでドキドキしながら読む必要も無いのでしょうが・・・
「健康で文化的な最低限度の生活」というマンガですが、とても読みやすい。そして面白い。
簡単にストーリーを説明しますと、
新卒で東京都内の区役所に就職した女の子の主人公(義経えみる)が、
保護課に配属される所から始まります。福祉事務所内のケースワーカーになるんですね。
まだ制度の事も完全に把握していない新米ケースワーカーが非常に混乱しながら、
生活保護受給者一人一人と対応していく様が描かれています。
生活保護受給者の描かれ方も、いわゆるステレオタイプな受給者ばかりでなく、
「一人一人受給するまでの背景は違うんだ」という前提で描かれている様です。
恐らくかなり綿密な取材をしながら連載されているのではないでしょうか。
受給者一人一人のバックグラウンドが妙にリアルで生々しく感じます。
ですが、「闇金ウシジマくん」の様なドロドロとした読後感は感じません。
適度にデフォルメされて描かれているせいか、ページをめくる指が重くなる事も無さそうです。
また、作者・柏木ハルコさんの主観があまり入っていない点が良いんじゃないかと思います。
ケースワーカーと生活保護受給者。どちらに肩入れする事もなく、
割とフラットな視点で書かれているのではないでしょうか。
「生活保護受給者=悪」「役所の人間=対応が悪い」
こういった分かりやすい勧善懲悪モノの様な進み方はして行かない気がします。
要所要所で生活保護制度の中身についての説明も入りますので、
生活保護制度に興味を持っている方にも最適なマンガなのではないでしょうか。
早く第二巻が読みたいです。
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