2014年9月13日土曜日

「健康で文化的な最低限度の生活」とは何なのか

近年、生活保護関連のニュースをTV・新聞・雑誌・ネットでよく見かける様になりました。

大体は、不正受給、生活保護受給者の率が上がっている等の話題が多い様に思いますが、

その中でよく目にする言葉が、「健康で文化的な最低限度の生活」という言葉です。

これは「生存権」と呼ばれる言葉です。

生存権とは、「人間が人たるに値する生活に必要な一定の待遇を要求する権利」(Wikipediaより)

との事です。これだけ読んでもよく分かりません。

またこれも有名ですが、日本国憲法第25条1項に、

「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と定められています。

こういった言葉をそこら中で見かける訳ですが、

「具体的にどういった状態の事を指す言葉なのだろう?」と以前から思っていました。


「守りたいのは生活保護利用者たちの既得権? 生活保護基準引き下げ反対訴訟が持つ本当の意味」(ダイヤモンド・オンライン)

ダイヤモンド・オンラインというサイト内の、「生活保護のリアル」という連載での記事です。

この記事内の3ページ目に詳しいのですが、

1946年に旧・生活保護法が成立された1946年以来、基準が明確にされた事は無いそうです。

唯一の基準が、「日常の居動作や軽作業を可能にするカロリー摂取のための費用」

というかなりあいまいな物だったそうです。


僕も役所で何度か「健康で文化的な最低限度の生活ってどういう状態なんですか?」

と聞いた事があるんですけど、「ハッキリした基準は無いんですけども・・」と言われた記憶が。

これは「健康で文化的な最低限度の生活の為には今の保護費の額では足りない!!」

という事ではなくて、ただ「ハッキリ具体的な説明を受けたい」と思って聞いたのですが。

生活保護を受給している方も、これから受給する方も、受給を考えている方も、

自分が利用する制度の事は具体的に知りたいですよね。

ただでさえ「税金で生活をする」という精神的な負い目みたいなのもありますし。


また、このコラムの筆者・みわよしこさんは、

「生存に必要なカロリー摂取を可能にできればよい」というのは、

「最低生存費」であって「最低生活費」ではないのではないかと指摘されています。

どうやら、「最低生活」として保証される生活がどの様な生活なのかという研究は、

まだ始まったばかりだそうです。

「健康で文化的な最低限度の生活」という曖昧な言葉がハッキリと形なるまで、

まだまだ時間がかかりそうなんですね。。


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2 件のコメント:

  1. 『健康で文化的な最低限度の生活』
    中学のとき、公民で習いました。
    今は高校生です。
    仙台で一度だけホームレスを見たことがあり、その時は日本にもまだこういう状況の
    人がいるのかと驚きました。
    しかし公民で国の支援を知り、近々ホームレスという存在は(生活保護により)なくなるのではないかと思っていました。
    けれど、その支援は『人間が生存するための最低限の支援』かもしれないんですね。
    そんなものに意味はないと思います。
    物理的に生きながらえるためだけに生きるのは辛いことです。中途半端に生活保護をしても辛い人生を強要するだけではないでしょうか。
    だからといって税金から生活保護にかける費用を今以上に抜き取るのもどうかと思います。
    難しい問題ですね。

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  2. コメントありがとうございます^^
    今は中学の授業で習うんですね!
    僕の時は無かったです・・・
    パステルさんが仰られる通り、現状、物理的に生き長らえるためだけの制度と言っても間違いないのですが、今以上に生活保護費を増やす訳にも行かないというのが、生活保護の問題の難しい所ですね。
    今は高校生との事ですが、物凄くしっかりした学生さんなんだと思います。
    これから生きづらい世の中になるのかもしれませんが、しっかり楽しんで毎日暮らして行って下さいね☆

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