七月。
昼間は工場で働き、夜はネカフェや公園で寝るという生活が続いていた。
住居と、ちゃんとした仕事。
この二つが無ければ多分このまま死んでしまうと思った。
冬になったら公園で野宿は難しいだろう。
毎晩ネットカフェで過ごせるだけのお金も無いだろうし、
大体そんな長期間ホームレスなんてやりたくない。
でも抜け出す方法が全くわからない。
まず住居を用意するお金が貯まらない。
敷金・礼金の不要の、俗に言う「ゼロゼロ物件」なんかでも、
結局最初に仲介手数料やらクリーニング費用やらでお金がかかるし、
しかも僕には保証人がいないのだ。
保証会社に加入すれば借りれると思っている人も多いみたいだが、
実際保証会社に加入するのに保証人が必要だったりもする。
住居が無ければ定職にも就けない。
どうしよう。
ネットであれこれ調べているうちに、ある制度を知った。
総合支援資金
>「総合支援資金」は、失業などによって生活に困窮している人が、生活を立て直し、
>経済的な自立を図れるようにするために、
>社会福祉協議会とハローワーク等による支援を受けながら、
>社会福祉協議会から、生活支援費や住宅入居費、
>一時生活再建費などの貸付を受けられる貸付制度です。
>生活支援費は、生活を再建するまでの間に必要な生活費として、
>月20万円までの貸付を最長12か月間行うものです(単身世帯の場合は月15万円以内)。
>また、住宅入居費は、敷金、礼金等住宅の賃貸契約を結ぶために必要な資金として、
>40万円までの貸付を行います。一時生活再建費は、就職活動や技能習得、
>家賃や公共料金などの滞納の一時立て替え、債務整理に必要な費用などについて、
>60万円までの貸付を行います。
>これらの資金は、連帯保証人なしでも貸付を受けることができます。
>なお、貸付利子は連帯保証人がいる場合は無利子、
>連帯保証人がいない場合は年1.5%になります。
>住宅入居費は、敷金、礼金等住宅の賃貸契約を結ぶために必要な資金として、
>40万円までの貸付を行います。
もちろんこれは借金だ。
借金ではあるが、このまま工場の安い給料でネカフェ暮らしをしていてもお金なんて貯まらない。
一時的にお金を借り、安定した住居さえ用意出来れば、
ちゃんとした仕事にも就けるのではないか。
保証人がいないので、無利子ではないけども・・・
でもこの制度を受ける事が出来たら生活が立て直せる・・・
ただ一つここでやっかいだったのが、
ネット上に制度の詳しい情報が無い。
検索をかけても、
詳しい説明のページや、どこに電話すれば良いのかすぐに分からない。
申請する人が多くなり過ぎても困るからだろうか・・・
仕方が無いので、翌日ハローワークに行く事にした。
まずハローワークカードを作り、職員と面談。
その際に今までの経緯を説明し、
上記の「総合支援資金」について教えてくれと言うと、
パンフレットを持ってきてくれた。
ハローワークの人も専門外なので詳しい制度の中身までは分からないとの事だったので、
帰宅後パンフレットに記載されている受付窓口に電話をした。
電話に出た女性にまた今までの経緯を説明。
すると、「そのままだと生活が出来ないと思うから、すぐ来てください」との事。
とりあえずイキナリつっぱねられるなんて事がなくて安心。
予約等も不要との事なので、仕事の都合がつき次第向かいますと伝えた。
新たなセーフティネットのご案内
新たなセーフティネットを利用するには・・・
上記二件のリンクが分かりやすいかも。
実際このpdfと同じ内容の書類も社会福祉協議会で受け取りました。
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